就職について

大学等への進学率が50%を越えているとはいえ、高卒と同時に就職する人も少なくない。進学する人たちに比べて一足先に“社会”という海原へ旅立つわけだが、勉強したくないから、という単純な理由で就職を考えないでもらいたい。確かに国語や数学といった勉強は基本的にしなくなるが、就職してもいろんな勉強は必要になってくる。人間、生きている限り一生勉強の毎日です。それだけは間違えないでもらいたい。

高卒で就職するにあたって、高校時代最も大切なことは何かというと、とにかく学校を休まないことです。成績は悪いより良い方がいいですが、少々成績が悪くても欠席の少ない生徒の方が合格しやすいようです。就職すれば自分に与えられた仕事をこなしていけばいいわけで、学生時代のように国語や数学、英語...と様々なことを要求されることは少ないのです。それよりも職場に来たり来なかったり、そういう社員がいる方が困るのです。自分の親のことを考えてみて下さい。少々体調が悪くても仕事に行ってますよね?目安は3年間で10日。これ以上欠席が多い場合は、就職は難しくなる、と考えた方がよさそうです。

それでは勉強は全く必要ないか、といえばそうではありません。確かに数学の公式や社会の歴史年表等、社会に出てほぼ必要のない項目がたくさんあります。いったい何のために学んでいるのか?それは「教えられたことを確実に覚えて実行に移す」練習を繰り返しているのです。どんな職業に就いても自分に与えられた仕事をいきなり出来る人はいません。上司から教えられ、それを自分で理解し失敗を繰り返しながら一人前になっていくのです。高校時代の基本的な学習内容を覚えて実行に移す(=覚えてテストで解答する)ことが満足に出来ない人が社会に出てそれが実行できるでしょうか?こういう質問を投げかけるとすぐに「社会に出たら出来るんよ」「その時になったらちゃんと出来る」と反論する人がいます。確かに出来る人もいるでしょうが、それは何の根拠もないもの。採用する側は、何の根拠もないまま「たぶん出来るだろう」では採用してくれません。学校の授業でそれを実証している人こそ、企業が必要としている人なのです。

面接試験について

筆記試験について

公務員試験について

フリーターやニート(Not in Employment, Education or Training=職に就いておらず、学校等の教育機関に所属せず、就労に向けた活動をしていないの略)が問題となっているが、若い人たちの中にはあまり抵抗無くフリーターでいいや、という考えを持っている者も少なくない。確かに、高卒で定職に就いた者とフリーターとして働いた者との、給料などの差はほとんどない。ただ、年を重ねるごとにその差は開いていき、ある調査によると一般的な定職に就いた者の平均生涯賃金は2〜3億円なのに対しフリーターは4000〜6000万円しかない。また、高卒の段階でフリーターを選んだ者はその何年か後にもそのままフリーターを続けている確率がかなり高い。企業側から見ると、どんな仕事でもいいからまずは定職に就いていた経験のある者=使える人材、という図式が成り立っているのかもしれない。つまり、卒業後とりあえずフリーターでもしながら自分のしたいことを探す、というのは学生側の都合のいい言い訳に過ぎないのである。フリーターをしながら探すのではなく、高校生をしながら探してください。

高校で進路指導をしていると「自分のやりたい仕事がわからない」という言葉をよく聞くが、大半は「わからない」のではなく「考えていない」「悩んでいない」だけである。また「自分のやりたい職種の求人がない」と嘆くのもよく見るが、そういう人に限ってダラダラとした学生生活を送っているケースが多い。理想は高いが現実、すなわち自分自身がそれに伴う成長が出来ていないケースが多い。世の中にはたくさんの人たちが多種多様な職業に就いて働いている。果たしてその何%が自分の本当にやりたい職種に就いているのだろうか?高校を卒業する18歳という年齢で自分自身を客観的に判断して、自分自身に最も適している仕事を、どれだけの人間が見つけられることが出来るのだろうか?

自分たちに与えられた仕事の中で自分が出来る仕事をまずはやってみよう。そこに必ず新しい発見があるはずです。学生時代と違って社会は厳しいことが多く嫌なことや仕事を辞めたいと思うことがたくさんあると思います。でも、まずは1年頑張ってみよう。学校も企業も、基本的に1年単位で動いています。4月5月は忙しくても6月7月には落ち着いているかもしれません。冬には自分に合った作業が行われるかもしれない。入社してすぐ辞めてしまうと、その自分に合った作業に出会うことなく辞めてしまうことになるのです。まずは我慢して、学生と社会人の違いを身を持って体験しつつ成長する1年です。そして2年目は去年失敗したことを生かして仕事をし、3年目は飛躍の1年にすればいい。それでも自分に向いていないと思えば転職すればいいんです(^^)。

なぁーに、大学に行ったと思えば3年で転職したってまだ1年分余裕がありますよ(^^)。

 

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