夏の甲子園初出場!
丹原高校にとって甲子園球場は近くて遠い存在だった…。
平成4年春、現中日ドラゴンズの野口投手を中心として県大会初優勝。夏の甲子園に夢が膨らんだが、夏はベスト4で夢敗れた。その3年後の平成7年夏、1回戦から三振の山を築いた永井投手は決勝戦でも11奪三振と愛媛県大会の最多奪三振記録を樹立したが、松山商業高校に敗れ準優勝。その松商はこの夏、甲子園で優勝した…。平成9年夏はベスト4、そして翌10年夏は準々決勝で阿部投手は9者連続三振(これも県記録)の離れ業を記録したが、宇和島東高校の前にベスト4で涙する。
平成11年夏はベスト8。しかし1年生主体のチームで挑んだ秋の大会で準優勝。四国大会に進出し、甲子園まであと1勝と迫った。1回戦は甲子園でも常連の高知・明徳義塾高校。初回に堅さからかエラーを連発し、いきなりの5失点。終わってみれば3対8の敗戦も初回のエラーがなかったら、と思わせる戦いぶりだった。
その彼らが2年生となり、第3シードに選ばれた平成12年夏。野口や阿部のような中心となる大投手が存在せず、やや小粒に感じられていた。しかし、準々決勝での逆転劇がチームを大きく成長させ、その勢いのまま迎えた7月29日。今治西高校との決勝戦に13対6という完勝で、念願の初出場を決めた。くしくも丹原高校創立100周年という記念すべき年に…。
この丹原高校の動きを詳しく紹介してくれているページがあります。高校野球マイナー情報局の1つのコーナー、愛媛の勢力地図を塗り替えた新鋭校を興味のある方は是非ご覧下さいm(_ _)m
優勝への軌跡
1回戦 第3シードのため不戦勝
2回戦 対弓削高校 8対1(7回コールド)
3回戦 対東温高校 11対2(7回コールド)
準々決勝 対大洲高校 14対7(7回コールド)
4回を終わって1対7。応援席にもややあきらめのムードが漂いつつあった。5回に2点を返して3対7としたが試合はそのまま終盤へ…。時計の針は午後8時をさそうかという7回表、ここでよもやの猛打爆発。坊ちゃんスタジアムのナイターで丹高ナインが輝いて見えた瞬間でもあった。結果的にこの大洲戦での大逆転劇の勢いが甲子園出場を後押ししたように思われる。
丹原 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 11 | 14 |
大洲 | 0 | 1 | 2 | 4 | 0 | 0 | 0 | 7 |
準決勝 対宇和島東高校 8対2
ベスト4の壁=宇和島東の壁、とまで思われるほど、この学校には勝てない。毎年のように破れ、甲子園への夢をたたれている。勝ったのは5年前の永井の年の1度きりではないだろうか?宇和島東は甲子園での優勝経験もあり、過去、3年連続夏の甲子園大会出場を決めている。つまり夏の県大会は3年間負けなし。序盤から優位に試合を進めていたものの5回表に追いつかれ、なんだかやばい雰囲気。しかし、その裏満塁本塁打が飛び出す等、計6点で試合を決めた。
宇東 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
丹原 | 0 | 1 | 0 | 1 | 6 | 0 | 0 | 0 | X | 8 |
決勝戦 対今治西高校 13対6
昨秋の四国大会の覇者、春の選抜にも出場しており、当然春夏連覇を狙ってきている強豪。いきなり初回に2点を奪われ、2回になんとか追いついたものの3回にすぐ突き放される。序盤は完全に今西ペース。しかし、3回裏に一挙に逆転、5対3とすると丹高ペースに…。4回、6回、8回と自慢の打線が小刻みに得点を重ねていき、終わってみれば19安打の猛攻。8回くらいからスタンドは異様な盛り上がりにつつまれ、勝利の瞬間、歓喜に溢れかえっていた。
今西 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 6 |
丹原 | 0 | 2 | 3 | 1 | 0 | 3 | 0 | 4 | X | 13 |
さて、いよいよ甲子園。1度でいいから甲子園に引率して行ってみたい、教員になった時のそんな夢が叶う瞬間でもあった。2番センターの彼は自分のクラスの生徒でもあり、ますますその気持ちは盛り上がります(^^)。宇和島東の夏4連覇をくい止め、今治西の春夏連覇を阻止した。単なる勢いや偶然の産物だけでこの2校に連勝できるはずがない。そこにしっかりとした自力が備わっていたからこそ、彼らの夢が叶った…。
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