2006年 球児の歩み

甲子園オーロラビジョンより

国際ルールにあわせる、という方針で2006年シーズンから2段モーションが禁止となった。2005年から、足を高くあげ一旦グラブを左足に当てるような形でタメを作ってから投げるモーションにして大飛躍したが、そのモーションは見事にこのルールにひっかかるようである(^^;)。球児のオフは、80試合登板という日本記録樹立で疲れた体を癒すことはもちろん、フォーム改造も重要なテーマとなった。シーズン当初こそ不安定な投球が続いたが気がつけば無失点登板が当たり前のようになり、47回2/3の連続イニング無失点(プロ野球歴代7位)、38試合連続無失点(おそらく(^^;)プロ野球新記録=記録の整理が間に合わないらしい(^^;))という新たな金字塔を打ち立てた。怪我で離脱した久保田に代わり6月下旬からは抑えに回り8月に右肩痛と首痛でダウン(T_T)。復活後は少しだましだましの投球だった気がします。波瀾万丈の2006シーズンだったが、その剛速球と信頼は変わらない。グローブの刺繍は『細心而剛胆』。

2006年シーズン

最多ホールドポイント(35)獲得

月日

自責点

球数

打数

安打

本塁打

奪三振

四死球

打数

安打

チーム

備考

4.1 1 16 3 1 1 ●3−4ヤ
4.6 1.66 23 7 2 1 1 ▲2−2広
4.9 1 23 2 2 2 ○10−5横
4.12 1.33 1 38 5 2 3 1 ●5−7中
4.15 1 20 4 1 2 ○6−3広
4.19 2 27 7 1 3 ●3−4中
4.21 2 40 7 1 4 1 ●2−3巨
4.23 1.66 28 5 2 1 0 ○6−2巨
4.26 1 18 4 1 3 ○9−5横
4.27 1 20 4 1 2 1 ○12−5横

10試合目

4.29 1 21 4 1 2 ○6−3ヤ
4.30 2 30 5 1 2 1 ○2−1ヤ
5.1 1 25 4 1 1 1 ○5−4巨
5.4 2 26 7 1 2 ○3−2巨
5.7 1 20 4 1 1 ○3−2横 1勝目
5.9 1 13 3 2 ○7−2ロ
5.11 1 15 3 3 ○5−3ロ 三者連続三振
5.13 1.66 14 5 2 ○5−1ソ
5.16 2 24 6 4 ○3−2日
5.20 1 19 4 1 ○5−2オ 2勝目           20試合目
5.21 1.33 27 4 1 2 ○5−3オ
5.23 1 22 4 1 1 1 ○2−1ロ 3勝目
5.27 1 15 4 1 1 ○2−0西
5.28 2 30 7 1 6 ●4−5西 1安打後なんと六者連続空振り三振
5.31 1 18 3 1 ●3−6楽
6.1 1 9 3 1 ○2−1楽
6.2 1 14 3 1 ○4−0ソ
6.8 1 17 3 1 ○6−4日
6.11 2 28 7 1 3 ○5−4西
6.13 1 13 4 1 2 ●7−8楽

30試合目

月日

自責点

球数

打数

安打

本塁打

奪三振

四死球

打数

安打

チーム

備考

6.14 1 21 4 1 2 ○3−1楽 1S目
6.16 1 21 3 2 1 ○6−3オ
6.17 1 18 4 1 1 ○5−1オ
6.19 1 14 3 2 ○5−2日
6.20 1 20 5 2 1 ○2−0ロ
6.25 1 17 4 2 ○3−1ヤ 2S目
6.27 2 43 7 1 3 1 △2−2広
6.28 1 9 3 1 ○3−2広 3S目
7.4 1 12 3 1 ○4−2横 4S目
7.6 1 15 3 1 ○2−1横 5S目           40試合目
7.8 1 18 5 2 3 ○4−2ヤ 6S目 無死1塁からの登板で1失点
7.11 1 8 3 1 ○2−1広 7S目
7.12 1 1 23 5 2 ○4−2広 8S目
7.15 1 18 4 1 2 ○2−1中 9S目 虎キチ@愛媛の夢、球児を初観戦
7.19 1 20 3 3 1 ○1−0巨 10S目
7.28 2 37 8 2 4 1 1 ○2−1ヤ 4勝目
7.30 3 45 11 2 4 1 1 ▲3−3ヤ
8.3 1 13 3 2 ○5−1巨
8.9 0.33 5 1 ○4−1横 右肩痛からの復活?調整登板
8.27 2 1 27 7 1 1 5 ○3−2巨 5勝目右肩痛・首痛からの復活  50試合目
8.30 2 1 30 7 2 1 3 ▲3−3中 回2死からまさかの同点被弾
8.31 1 1 25 6 3 1 ○8−7中 11S目
9.9 1 12 3 2 ○5−3横

虎キチ@愛媛、球児2度目の観戦

9.13 1 19 3 3 1 ○5−4広 12S目
9.17 1.33 16 4 2 1 ○2−0中 13S目
9.18 1 10 4 1 ○6−5ヤ
9.24 1 20 3 2 2 ○4−1巨 14S目
9.26 1 11 2 1 1 ○3−2広 15S目
9.29 1.33 19 4 3 ○4−0中 16S目
10.4 1.66 24 5 1 1 ○4−2ヤ

60試合目

10.7 1 1 14 5 2 1 1 ○5−3巨 17S目
10.8 1 10 4 1 1 ●1−5巨
10.12 1 26 4 1 2 1 ○5−1中

月日

自責点

球数

打数

安打

本塁打

奪三振

四死球

打数

安打

チーム

備考

合計

79.33 6 1293 278 46 3 122 22 4 1 防御率0.68安打率165、打率250

※中程の列にある打数安打は、打者・球児のものです。

☆オールスター戦(セ中継ぎ投手部門ファン投票1位:投票数673120人)

月日

自責点

球数

打数

安打

本塁打

奪三振

四死球

打数

安打

チーム

備考

7.21 0.66 10 2 2 セ○3−1●パ
7.23 1 15 3 1 セ○7−4●パ
合計 1.66 25 5 3 防御率0.00安打率000

2年連続2度目の出場を決めたオールスター戦は、パの強打者たちから「対戦したい投手」に指名されることもしばしば。本当にセを代表する投手になってくれたもんです(涙)。その期待を裏切ることのなかった第1戦は、投球前にストレートの握りを打者に見せるパフォーマンス。カブレラ(西武)、小笠原(日本ハム)に投じた10球はすべてストレートでしかもすべて150キロ越え。見事な二者連続三振でした。ストレートと予告しても打たれないとは、架空のヒーロー・藤村甲子園を彷彿させますね(^^)。

そして続く第2戦も8回の1イニングをオールストレート150キロ越えの15球。今江(ロッテ)をライトフライ、日高(オリックス)を三塁ファールフライにしとめたあとは球場中が大興奮の代打・清原(オリックス)。「バックスクリーンにホームランを打たれて、より成長したい」と試合前に語っていたが、1球ファールがあったものの残り3球はすべて空振り。最後の152キロストレートで三振に斬ったあと、清原に向かって帽子を取って一礼していた姿が印象的でした。その後のテレビ局インタビューで「感極まって上手く表現できない」と言い、対戦相手の清原からは「火の球速球や」と言わしめた。ファン以上に本人たちはその戦いを楽しみにし、そして全力でぶつかっているんでしょうね。

2年連続のノーヒットピッチング。球場のアナウンスで「ピッチャー藤川」とコールされるとセパ関係なくスタンドから大拍手が沸くようになりました。わずか2年でオールスターになくてはならない存在になった気がしますが、メインはやはり公式戦の方です。この経験をもとにもっともっと凄い投手になってくれ!

2006ワールドベースボールクラシック

月日

自責点

球数

打数

安打

本塁打

奪三振

四死球

打数

安打

チーム

備考

3.4 1 17 4 1 1 ○14−3台湾
3.5 0.33 5 1 1 ●2−3韓国
3.13 0.66 18 5 2 1 1 ●3−4アメリカ 1敗 エラーがらみで1失点敗戦投手
3.16 0.66 6 2 1 ●1−2韓国

合計

2.66 46 12 4 3 1 防御率0.00安打率333

野球の世界一を決める、記念すべき第1回大会。初代王者に輝いた日本代表チームに、阪神からは球児と久保田の2選手のみが選ばれた。球児には大塚(レンジャーズ)と共に貴重な抑えとしての期待がかかった大会でもあった。そして1次リーグの台湾、韓国戦ともまずまずのピッチングで世界に通用する期待を抱かせ、いざ2次リーグの行われるアメリカへ出発。

2次リーグの初戦、3月13日のアメリカ戦。3−3の同点の9回にマウンドへ。先頭打者ウェルズに安打を許し続くウインのバントを岩村が悪送球で無死1・2塁。ただし球児は落ち着いていたようだ。続くヤングのバントをフィールディングよく三封、ジータには死球を与え満塁にしたもののグリフィをフルカウントから空振り三振に斬ってとり2死満塁。最後の打者ロドリゲスの打球は詰まった...が無情にも二遊間を抜けていってしまった。大リーガー相手に真っ向勝負で勝っていたものの、結果、自責点零の敗戦投手となった(T_T)。続く韓国戦の0ー0で迎えた8回は、杉内(西武)から1死2・3塁のピンチでバトンを受け、イ・ジョンボムにタイムリー二塁打を放たれ、スコアは0−2に。自責点こそ杉内につくものの、アメリカ戦に続き手痛い失点であった。

1次リーグではそれなりの結果を残したが、2次リークでは自責点零とはいえ満足のいくピッチングとは言えなかった。しかし、初めての世界の舞台で得たものは、その結果だけではないはず。世界の一流打者と対戦し、そして一流投手たちを目の当たりにして、より成長した藤川球児の勇姿を甲子園で輝き魅せてくれるだろう!

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