第2章 コンサート

緞帳は開いたまま。ステージ中央にまっさん用のギターが3本、ギタースタンドに立てかけられて置いてあり、それがうっすらと照明で照らしだされている。その少し左手奥に同じくギター3本。こちらはギターアンプに繋がれており、石川さんだな、と一人で納得(^^)。他には何もなく、どうやら今回は2人でのステージであることが、開演前に判明した。

(開演18時37分)
開演ベルが鳴って会場内が暗くなると、会場内のどこからともなく手拍子が...。まっさんはその手拍子にのって現れる(笑)。やや遅れて石川さんが入場。演奏開始前にまっさんの「いい?」石川さんの「ちょっと待って」という声が聞こえる。うーーん、最前列ならではの確認事項(^^)。なんだかいつもよりリラックスしているような感じで、一曲目の演奏をはじめる。

1 案山子

〜MC〜
はじめまして。コンサートはもう3000回近くやってるし、愛媛には毎年来てるけど、まだ行ったことがない町があったんですね。でも、昨日松山から高速で来たけど、どんどん、どう見ても人が住んでるとは思えない所(笑)へ進んで行くんで、心配になってきた。でも、町が見えてきて一安心。その中にこんな立派な会館(虎キチ注:ふるさと創生資金等で作ったようです)があって驚いた。はじめて来たのに、こんなたくさんの方に歓迎してもらってどうもありがとう。

今日はギター2人(と言いながら石川鷹彦さんを紹介)だけです。東京の方でもこういうコンサートをやってくれ、ってよく言われるけど、もったいないからやらない。ギターだけだと発する音が少ないから一つ一つの音が大切になってくる。そんな贅沢なコンサートを今日はお送りします。ところで、石川さんは中日ドラゴンズのファンらしい。その石川さんに「野口がここ出身って知ってる?」と尋ねるとどうやら知らなかったらしい。それ以来丹原高校野球部は強いらしいですね。今年も第1シードだとか(拍手)。なぜ、こんなに詳しいかと言うと、タクシーの運ちゃんに聞いただけなんですけど。

恒例の、さだまさしコンサートに初めて来た人調査。初めて来た人に拍手をしてもらうと、会場のほとんどがそうだった。そういう人たちにも楽しんでもらえるよう、みんなが知ってるであろう曲を5曲も(笑)準備して来ている。そのうち1曲はもう終わったんですけど(笑)。

この最初のトークの中で早くも「最前列の双眼鏡」をめざとく見つけてくれた。保内コンサートに続き、2度目の栄冠(笑)です。

2 関白宣言

〜MC〜
 この曲を発売したときに、女性蔑視歌手と言われた。精霊流しでは叙情派の騎手と言われた。何のことかよくわかんなかったけど(笑)。雨やどりで軟弱、防人の詩で右翼、といろいろ言われた。でも、この歌が発売された頃の女性はまだ賢かった。今でも十分賢いんだけど、あれはテレビが悪い。どう見てもこいつは答えられないだろう(笑)と思われる、顔に「わかりません」と書いている(笑)女性をわざわざ見つけて、「今度の参議選は...」と質問したってわかるはずがない。都会にはああいう女性ばかりではないから、ちゃんと頑張ってる人が大半だから。とにかくテレビの影響が大きい。

そして、お父さんの威厳がなくなってきた。その第一の理由も、テレビ。昔のお父さんは食事をする時も床の間を背にして座った。一番の特等席に座っていた。お風呂も一番風呂。一番風呂は身体に悪いらしいけど(笑)。子供達もそれを見て育ったから、自然にお父さんは偉いんだ、と認識するようになる。今は毎日お母さんがお父さんに愚痴ばかり言う。そんな愚痴を聞いてばかりでお父さんを尊敬しろ、っていう方が無理。テレビ発売当初は給料の1年分くらいの高価なものであった。それをお父さんが頑張って買った。それをどこに置いたかというと床の間。お父さんは、自分の後ろになって見えない(笑)。そして、給料の銀行振込が第2の原因。昔はお父さんの帰りが遅いとお母さんは心配していた。でも、お父さんの身体を心配していたわけでなく、袋の方を心配していた(笑)。

3 雪の朝
4 19才

〜MC〜
何度も愛媛に来たけど、生の「ぞなもし」(笑)は1度も聞いたことがない。昨日もゴルフに言ったけど、キャディーさんにわざと「6番アイアンで届きますかね?」と質問して「届かないぞなもし」(笑)という返事を期待するが、「届かん、届かん」で終わる...。そういえば、ゴルフといえば思い出した話が...。でも、長くなっちゃうから...(拍手)。あっ、別に拍手しなくていいですよ、僕の場合長くなっちゃうと歌を削ってでもトークを優先する(笑)。歌はCDで聴けますから(笑)。トークでお客さんとのコミュニケーションをとることが大切です。と言って松山千春と間違われた事件について話す。

5 風の篝火
6 線香花火

〜MC〜
最近の子供は線香花火をしなくなった。線香花火はあのこよりのようなのは邪道。線香花火はやっぱりストローに鼻糞(笑)。こよりだと風に揺れてすぐ落ちちゃうからダメ。ところで、なぜしなくなっちゃったかというと、あれを楽しめる暗いところがなくなった。衛星写真で夜の日本列島を見るとくっきりとその形がわかるくらい日本中が明る過ぎる。明るくなったからと言って性犯罪が減ったわけでもない。昔は暗かったけど、性犯罪も少なかった。なぜかというと、襲う方も暗くて怖かったから(笑)。

日本ほど季節の移り変わりが美しい国はない。菜種梅雨、五月晴れ、季節を表す言葉も多く綺麗である。五月には鯉が空を泳ぐ。世界中探したってそんな国はない(笑)。頼まれもしないのにみんな泳がす。丁度その頃に阪神ファンはあきらめ始める(虎キチ@愛媛苦笑(^^;))。それが冷房や暖房により、季節感がどんどんなくなってきている。便利さと引き替えに、失うものも多い。

7 北の国から(客席も含めて合唱)

〜MC〜
旅はいい、というお話。

8 遠くへ行きたい
9 秋桜
(弾き語り)

〜MC〜
 秋桜という曲ははじめ「小春日和」という曲名だった。それを聴いたプロデューサーの酒井雅利さん(あのデビ婦人とやりあった人、というと会場から「あーあー」という声。)が曲を聴いて、歌詞にある「秋桜(コスモス)」という表記に興味が沸き、「秋桜という曲名にしてよいか」と言われ了承した。それまで「秋桜」と書いて「コスモス」と読める人は少なかったが、この曲で市民権を得た。「小春日和」という曲名だったら、あんなに売れなかっただろう。

山口百恵に秋桜を贈ったのは彼女が18歳くらいの時。「実感湧かないでしょ」と聞いて、普通なら「いえ。いい曲ですね」とかって答えるのに彼女は「はい」と答えた(笑)。大物だと思った。山口百恵のラストコンサートに招待されていたが、自分のコンサートがあったため、最後まで迷った(笑)が行けなかった。コンサートが終わってホテルに戻ってくると「やっとさださんの、曲に込めた気持ちがわかる日がきました」というメッセージが届いていた。自分のラストコンサートの日に、お世話になった人たちに対する感謝の気持ちを表すことの出来る彼女を尊敬している。でも、もっと尊敬しているのは、その彼女をスーパースターからただの主婦にしてしまった三浦友和(笑)。二人とも年老いて、20人くらいの客の前で、自分がギターを弾いて山口百恵が秋桜を歌う。そんな日が来るといいな、と夢見ながら、それまでは代わりに自分で歌います(笑)。

今「精霊流し」という小説をかいている。幻冬舎から「かいてみないか」という話が来て、それにテレビ朝日が便乗した形。それをテレビで流しているが、あれはあくまでテレビだから、かなり着色して放送している。でも大変なことには違いなく、400字詰め原稿用に400枚以上書きあげた。例年ならハワイに行ってリフレッシュしている期間も、今年は宇和島水産高の事故のこともあり、中止して小説を書いた。でも、自分で追いつめられてるな、と感じたのは、おとついハワイアンのCDを2枚も買ってしまった(笑)。気持ちだけでもハワイへ、ということで次の曲を...。

10 虹の木
11 pineapple hill
12 前夜

〜MC〜
 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がその著書「仏像の微笑み」の話の中で、「日本人は欧米の技術に追いつこうとするあまり、その合理的な考え方まで輸入しようとしている。近い将来、日本人によく似たこの国の人たちは、道の傍らにある仏像を見て、そのことに気づくだろう」ということを書いたことを紹介し、その予想が当たってしまっていることを嘆く。しかし、またまだ日本にはたくさんの日本人、いや妖精としか思えないような人たちがたくさんいる。妖精は弱いけど日本中にたくさん実在している。

最後はいつものように、元気と勇気の話で締める。

13 無縁坂
14 精霊流し
15 修二会
この構成で最後にこの曲を持ってきたことに脱帽。特に修二会は保内のアコースティックコンサートでも観たけど、あの時は3人構成だったし、パーカッションの宅間さんの活躍が大きかった。でも、今日は宅間さんなしの二人。それでも、ギター2本のみでやっていることを感じさせない演奏であった。
(1幕21時19分)

〜アンコール〜
初めてこの町にやってきて、積もる話もたくさんあって(笑)長くなってしまいました。だいたいいつもこんな調子でやってるんですけど。そろそろ帰りの時間の気になり始めた方もいるだろうし、帰ったってどうせやることないし(笑)、と思っている方もいるだろう。最後にもう一曲聴いていただいてお別れしようと思います。

16 風に立つライオン(カラオケ)
演奏が終わった後、いつものようにステージ中央、上手、下手で深々と頭を下げ、拍手が鳴りやまない中、にこやかな笑顔で両手を振りながら去っていく。緞帳は最後まで上がったままであった。下手から去る直前、大きく手を振る虎キチ@愛媛の方を見て、軽く微笑んで去っていった。いや、錯覚じゃありません。確かにこっちを見て微笑んでくれたのっ!(^^)
(終演21時28分)

 

過去の神出鬼没こんさぁ〜とやアコースティックコンサートには、宅間さんもいたため、30回目にしてはじめて経験したギター2本のみのコンサートでした。まっさんも言ってたけど、やっぱ生音はいいですね(^^)。曲構成が保内町コンサートとよく似てました。この前後のアコースティックコンサートはだいたいこのような構成なのかもしれません。

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