禁断の部屋へようこそ
ついに入って来ましたね。この好き者っ!エッチぃーーー。(^^)
ここがどういうページなのかは後で触れることにします。とりあえずまずは、トイレの話から…。
出し物というとちょっとご理解いただけないかもわかりませんが、要するに、人間にはいろんな作用がある。その一つの排泄...日本人の場合は、あまり大きな声でこういう話はするもんじゃないということになっているのですが、(大きな声で)日本人の場合には(笑)、お手洗い、特にまあ、大の方はたいがい個室になっているわけで、コンコンとか叩くと、中からコンコンと返ってきて、”ああ、入ってるな”とわかる。あるいはノブのところに赤いのがピッと出ていたりなんかして、あるいは”使用中”と斜めに出てきたりするわけでしょ。
ところが中国では、まだまだ個室制を採用しておらない。どういうことになっておるかというと、壁がありまして、穴がこういうふうに、こう縦に並んでるわけで、日本では通常、金隠しというのがついております。スリッパみたいなやつがね。なぜあれが金隠しというのか、自分で考えていただければ明白な事実でございます。
ところが、ないんです。これが。金隠さず。穴がずうっと並んでましてね、隣の陣地と自分の陣地−陣地というかテリトリー、縄張りでございます−の間に高さ五十センチぐらいの衝立てがあるだけ。あとはオープン・ザ・ウィンド、オープン・エアでございます。
どうするかというと、そこで平気でみんな並んで、壁の方に背中を向けて、こっちを見て並ぶわけです。ズラッと(笑)。ほんとうなのよ、これ。
それでね、順番待ちで並ぶ時どうするか。ノックできないでしょ、一目瞭然なんだから。ノックすりゃ鼻面を叩いちゃうからね。そしたらケンカになりますから。だからどうするのかというと、ご奉仕なさってる方の、一番早くご奉仕が終わりそうな人の前に立って(笑)、並んでる。いや、ほんとなんですよ。
これは、決して中国をバカにしてるんじゃないですよ。国がらの違いというか、いわゆる慣習の問題ですからね。不潔でもなんでもないわけでしょ。要するに不潔かどうかというのは、また話がちょっと違ってきますけど、そりゃあもう慣れですからね。恥ずかしくないんです、彼らは。だから坐ってる方も立ってる方も別にあたり前なんです。それで。だから平気で話するわけでしょ。「元気だった?」なんて(笑)。
「久しぶりだねえ」
「やあ、久しぶりだねえ、あいつ嫁にいったってね」
って話をしながら
「元気? 元気そうだね」
とか、いろんなこといいながら、ずっとみなさんがご奉仕なすったりなんかしている。
それはぼくらでもね、並んで待つのは出来る、へへへ。でも並んで待たれたらどうしよう、というのが一つあるでしょ(笑)。で、なんかねえ、困るんだなあ、こりゃあ。どうするったって、なかなか入れないもんね。みんなと一緒にご奉仕するなど、とてもとても...。どうするかというと、いきおい、どんどんチャンスを逃すわけで、一番最初に隅っこの方へ行って、”よし誰もいない、今だ”と思って膝を曲げかけたときに人影が見えると、そのまま出てきたりなんかしてね。もうアホかというような状況...。
で、最初は我慢できるんです。人間っていうのは三日や四日は大丈夫です。我慢強い人で五日までは支障ないんです。ところが健康体の人が五日以上我慢すると、六日、七日になると、これはもう...圧縮されてきますんで、大変なことになるわけ。
ぼくも最初は我慢してた。恥ずかしいでしょ。かっこ悪いでしょ。それは日本ではねえ、ちょっとやれないんだよな。中国だから、まあ知ってる人いないからね、まあ出来るようなもんなんだけど。
でも、夜中にね、とうとう我慢出来なくてね、懐中電灯をつけてね(笑)。わたしは夜中の二時頃、そおっと起きだしてね。なぜ懐中電灯を持つかというと、中国の夜は暗いんです。日本の夜は、電気やネオンが煌々とついているでしょ。中国は暗いんです。ほんとに明かりなんかないんです。そんな中でトイレにいくということは危険なんです。明かりがなかったらどうなるか。穴があいてるわけだから(爆笑)。ぼくはやせてますから(笑)。
それでこっそりね、明かりをつけてね、行ったのね。トイレの前に来て入ろうかと思っていたらね、中がザワついている。いくら中国が人口が多いといってもね、夜中まで便所ということはないだろうと思ってね、中へ入ってフッと見たら、日本人がズラーッと並んでいるの(爆笑)。みんなスタッフなのね。
そんなわけで、最初は日本人同士で、まあ仲よく手を取りあって、というのに慣れた。次に人がいることに慣れる。と、中国人のあいだに入っても平気になる。これは第三期症状でございます(笑)。末期症状になるとどうなるかというと、誰もいないと怖いという(笑)、さびしいという状況になる。誰かにいて欲しい(笑)。だんだん他人に対する依存度が高くなる。なんか恐ろしかったなあ...。 (81.1.20 大阪) 文藝春秋社刊「噺歌集」より抜粋。
「禁断の部屋」と聞いてエッチなページを想像したあなた。考えが甘いっ!(^^)
さて、この部屋は既に気づいてる方もいると思いますが、さだまさしのコンサートトークを集めた部屋です。
文藝春秋社から「噺歌集」というコンサートトークだけを集めた本が既にTからXまで刊行されています。また、(株)ANY社からは、トークだけを集めた2枚組CD「ステージ・トーク・ライブ(噺歌集ライブ)」もPART6まで発売されています。「噺歌集」の中で彼自身は自分のトークについて次のように話しています。
最初の言い訳
噺歌集Xより抜粋(’89.7.23. 大阪フェスティバルホール)
こうして、コンサートでベラベラしゃべったりしていると、「さだは、あいつ落研だったから、落語やってたから、しゃべるんだ」っておっしゃる方があるけど、それは、申し訳ないけども、違うと言わしていただこうと思います。生まれつきなんです(笑、拍手)。私は生まれつきこういう風なやつなんです。落研がそれにみがきをかけた(笑)、ということは言えるかもしれませんけど。
みんなが笑ってる顔って、すごく好きなんですよ。暗い顔は、自分ひとりで曲づくりの時だけでたくさんだって気がするの。本当はね、歌い手にこういうトークはいらないと思っています。だけれども、僕の歌は重たい歌、しんどい歌が多いから、こういう歌ばっかり、トークなしでずーっと続くと疲れてくるでしょう? アイスクリームをずーっと食べてると味がしなくなるのと同じ。ウエハースを食べて、緩和するわけです。トークはウエハースですよ。なくったっていいもんです。アイスクリームにとってはね。だから、つらいよォ、「あのアイスクリーム屋のウエハース、最高にうまい」って言われるの(爆笑、拍手しばらく続く)。
おせっかいだなと思うんです。こんなに長くやっちゃいけないと思う。普通の歌い手さんのように、一時間四十分で帰るべきだと思う。もう、この時間は、風呂に入って一杯飲んでるべきだと思う。ところがねぇ、こういう田舎臭いもてなし方しか知らんのです。田舎行くとこうでしょう。
「よく来たねー。これ食べなさいよ。あれも食べなさいよ。これおいしいよ、この酒」
人がビール飲んでる脇で日本酒を勧める。
「あっ、おいしい酒ですね」
なんて言おうもんだったら、
「あっ、そうだ。ワインがあった」
そんなもんいらんっちゅーのに。いろんなもの出してくる。そして、こってりした味付け。くさい食べ物。そんなものばっかりが出てくる。僕のコンサートはね、きっと、そんな田舎のもてなしかも知れんと思う。でも、こんなやり方しかできないんですね。
歌とトークのギャップ。コンサートに無理矢理連れてこられた人(笑)は、その雰囲気(明るくて楽しくて、必ず元気になれるコンサートなんですよっ!)が自分の予想してた暗いイメージと違うため、驚きととまどい(笑)を持つそうです。
「さだまさし」と聞くと「暗いから嫌い」という人の心を正常に戻す(笑)べく、虎キチ@愛媛は立ち上がります(なんと大げさな…)。エッチな題名と写真に騙されて入って来てくれててもいいっ!さだまさしを敬遠し続けていた方々が、ちょっとその世界を覗いてみようかな、と思ってくれたら幸いです。あなたの心の「さだ嫌い」を禁断の果実で浄化してみませんか?騙されたと思って次ページへどうぞ。(^^)
しかし、仮にこのページがきっかけとなり、さだファンになってくれた人がいたとしたら、本当に凄く嬉しい出来事なのだが、その人はファンになったきっかけをどう説明するのだろう?まさかエッチな題名と写真に騙されて(笑)、とも言えないだろうし…。(^^;;;)
尚、さだまさしのトークの神髄はネタだけでなく、落研で磨かれたその話術にあります。出来ればコンサートで生の話術を見てきて欲しいのですが、いきなりは無理かな?ライヴ版のCDもいくつか発売されてますので、レンタルして聴いてみてください。必ずや、その世界に驚くことでしょう。(^^)
トーク選択ページへ進む
さだまさしページに戻る
虎キチ@愛媛なページに戻る
選択メニューに戻る