方程式の項は移項すると符号が変わる。

1+1=2である。これは誰でも知っている(と思う)。
では両辺に3を加えると 1+1+3=2+3 となりこれも正しい式である。
また両辺から2を引くと 1+1−2=2ー2 となりこれも正しい式である。

これ以外の数字の場合も全く同じことが成り立つので、方程式(左辺と右辺が「=」で結ばれている式)は両辺に同じ数字を加えても、また両辺から同じ数字を引いても成り立つ式であることがわかる。では、次の方程式を考えてみよう。

4x+3=27

最終的には「x=」としてその値を求めたいのだから、この式の場合「3」をなんとかしてなくさなければならない。この3をなくすためには「3を引けばいい」のだが、勝手に引くわけにはいかない。そこで上で考えたように「両辺から同じ数字を引いてよい」のだから両辺から3を引いてみよう。

4x+3−3=27−3

この両辺を計算すると

4x=24

となる。

「移項」とはこの2つの考え「両辺から3を引く」という作業と「両辺を計算する」という作業を1度で済ませてしまう作業なのである。つまり上の2つの式の上式から右辺を下式から左辺を取り出すと

4x=27−3

という式が出てくる。これが最初の問いに対して「移項した式」となっている。確かに移項した3は「+3」から「−3」へと符号が変わっているのがわかる。逆に4x−3=27という方程式では、同様にして「−3」から「+3」に符号が変わることを確かめることができる。これが「移項して符号が変わる」システムである。