西坂先生の独り言

 

現在の学校は当たり前のように週5日制である。自分が学生時代は月〜金曜日は6時間授業、土曜日は4時間授業(午前中授業)が普通の形だった。教師として働いている今、やはりそれが一番の理想型だと考えます。「ゆとり教育」を前面に打ち出し、休みを増やし教科書の内容を減らした。それが本当に子供達のためになっているのだろうか?若いうちから楽をすることばかり教えるのではなくて、「頑張ること」「苦労すること」そして「頑張って出来ないこともあってそれで泣いたりくやしがったりすること」を教えてやる必要もあるのではないだろうか。授業内容の精選は必要だと思う。でも休みを増やす必要はないのではないか?

我が愛媛県では授業数確保という大義名分のもと、夏休みや冬休みが短縮化される動きがある。土曜日を休みにして長期休暇を減らしたんでは、全く何をしているのかわかったもんじゃない(^^;)。冷暖房設備の整った学校はまだまだ少ない。暑い真夏や寒い真冬にあの教室に座って授業に集中しろ、というのが無理な話です。無理じゃないと思う人は一度、1日でいいから8月か12月の一般的な気候の日に教室に座ってみることをお勧めする。

そして、我々教師のことも考えもらいたい。ただでさえ集中力が落ちている生徒に向かって、1分もあれば汗だくになる真夏や、チョークを持つ手も震えそうな真冬に授業をすることがどれだけ大変なことか。これも1度是非体験してもらいたいものである。そういう環境の悪い真夏や真冬の休み期間を減らすくらいなら、土曜日を授業日に戻せばいい。そう考える教師はかなり多いのが現状です。

また、土曜日が休みになったために授業確保が必要、そのために、クラスマッチや運動会、文化祭といった生徒達が楽しみにしている可能性の高い学校行事が短縮化されたりなくなったりしている。あげくは始業式や終業式の日にも授業が入ったりしている学校もある。こんな窮屈な学校生活が、本当にゆとりを生んでいるのだろうか?

こういう改革をする際に、基本的に我々現場の教師の意見は反映されていない(と思う)。文部科学省のお偉方が中心となり、学生時代にお勉強が出来た優秀な方々が集まって決められる。学校の先生が説明することを、一度聞いたら理解できる方々だけが集まって教育改革をしてみたって、そういう人たちの感覚で「このくらいで大丈夫だろう」と決められたところで、凡人には「このくらいで大丈夫」とはならないのである。そういう優秀な方々には、勉強が苦手な生徒の気持ちなんてわからないだろう。あの有名な刑事ドラマの名言「事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起きてるんだ!」の『事件』を『授業』に置き換えれば...。そのまま教育界でも当てはまることだと思う(^^;;;)。

それから35人学級、もひとつ欲を言うと30人学級、の実現がなかなか前へ向いて進まないようですが、その理由の一つが教員確保のための金銭面とか(^^;)。ちょっと大袈裟な言い方になりますけど国の将来を担う子供達の教育にお金を惜しんでどうするんですかねぇ。年度末になると至る所で意味のない道路工事がくり返されているように思われますが、ああいうお金等を教員確保に回せないんですかねぇ。我々教員はただでさえ残業手当はもらってないですし、部活動で休日にまる1日指導してもらえる手当はわずか1200円(^^;)。高校生がコンビニで2時間バイトしたらこれを上回ります(^^;)。お金だけの問題ではないけど、我々の部活動指導なんてその程度のものとしか考えられてないんですかね(T_T)。

また、高校の教員の場合は1日の持ち授業数は3〜4時間ですので、自由に使える時間が2〜3時間あります。その間に教材研究したりテスト問題作ったりということもある程度可能(ですが実際は勤務時間過ぎてからもしないと間に合わない)なんですが、小学校の先生なんて大変ですよ。基本的に朝から夕方まで授業、あげくは給食まで生徒と一緒でその指導までしなきゃなんないからホント頭が下がります。自分が小学生の頃は考えもしませんでしたけど、毎日のように提出させられていた漢字ノートや日記、あれって先生いつ見てたんでしょうね。朝提出したら当たり前のように帰りにはコメントが書かれて返却されていた。授業の合間の10分間の休み時間とか、そういうちょっとした時間すらも気をぬかないで仕事してるんだろうな、と思います。

そして教材研究やテスト作ったり採点したり、というのは当然生徒帰ってからになりますから、それらをすべて終わらせるのはとんでもない時間になっちゃうんだろうな、と思います。ホント小学校の先生には頭が下がります。でも、それだけ一生懸命頑張っても、時間外手当は一銭も出ないんですよね(T_T)。時間内に済ませればいい、と言われるかもしれませんが、これははっきり言って無理です。だったらせめて今の1クラス40人を30人くらいに減らして少しでも負担を減らしてもらわないと...。

 

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